不思議博物館ってか巨大クリムゾンの事

午前中ちょっとばかし暇が出来たんで、11時半くらいに不思議博物館・展示室Aに行ってきました。あ、画像は今まであちこちで散々出てるし公式サイトにも置いてあるから省略の方向で。…と思ったけど、せっかくだからウチの画像掲示板にアップしてみました。よろしければどうぞ。
まず、展示室の入り口で出迎えてくれるのは不思議子ちゃんが「せっかくだから」言いつつ作品の解説をしてくれるアニメなんだけど…この時点で他の展示と一味違うよなぁとか何とか。んで、とりあえずその解説を一通り見た上で中に入ると、ちょうど館長さんの撮影の元、2人いた不思議子ちゃんの片割れが件の巨大クリムゾンでデスクリをプレイし始めたところでした。とりあえず撮影の邪魔にならないようにプレイ台の斜め後ろの方に移動しつつ、不思議子ちゃんのプレイを見学していたのですが。
…コンテニューしながらも、そのまま1面をクリアするのを見てしまったとき、僕は。
や、正直ありえねぇッスよとかそんな勢いなのですよ。「ノーマルのバーチャガンで1面をクリアできる人」ってだけでもかなりアンコモンなのに、「巨大クリムゾンで1面をクリアできる女の子」ってのはどれだけレアな存在ですかと。つーかその後私もプレイしてみたけど、1分も経たないうちにあえなくゲームオーバーだったし。いやまあ、不思議子ちゃんも実はこのときが初クリアで、館長さん曰く「数十秒生きてれば結構上手い」らしいのですが。
ちなみにこの巨大クリムゾン、操作感覚としてはオーシャンハンター(水中スクーター型?のコントローラーを使った海中が舞台のガンシューティング)に近いんだけど、取り回しの重さと画面の小ささ、あと微妙な照準のズレ(むしろフロントサイトとリアサイトすら無い)のおかげで恐ろしく独特な感じになってたり。いやまあ、実際にプレイしてるゲームは100%混じりっ気無しのデスクリそのものだけど。
…と、実はこの時点で割と満足してしまってたりするぼくがここにいるふしぎ。や、当初の目的の巨大クリムゾンは十分に堪能したし、不思議子ちゃんが巨大クリムゾンを必死に操作する可愛らしい後姿華麗に操る超絶プレイも拝めたし、芝人間とかディプロカウルスとかシラミとかクマムシとか、その他の作品も間近で見れたし。
…とは言ってもこのまま帰ったら流石にアレな気がするってか話のネタにならないんで、カウンターで昼飯を注文する―正確には、不思議子ちゃんにお使いを頼む―ことに。そんなこんなで待つこと数分、微妙に飲みにくい根カップで紅茶を飲んだり、カレーって感じじゃないイエローカレー(タイ料理)を食べたりしながら館長さんに作品その他の事を色々と聞いてみました。以下、会話内容を適当に抜粋。

  • 美術館側に「メイドカフェ」って物をわかってもらうのにかなり苦労したとか。そんなこんなで「メイドカフェ・スタイル〜お帰りなさいませご主人様〜」がアジア美術館に所蔵されることに。ついでに、メイドカフェの地位向上のためによかちゃ天神スタイルを会場にて(個人的に)宣伝Chu!
  • その昔アンミラに行ったとき、思わずウェイトレスさんをじろじろ見てしまったとか何とか。この一言を聞いたとき、館長さんへの親しさが急激にワタクシの中でグローインアップ!
  • 中学生の時に作った折り紙バルキリーの折り方をサイトにアップしたら、巨大クリムゾンをアップした時の3倍の速度でカウンターが回ったけど、その割には会場に来てくれる人が少なくてちとしょんぼり。
  • 紅茶を頼んだ時に出してくれる根ポットと根カップ、実は足がつぶれないように焼くのが凄く面倒だったとか。ちなみにこれ、7セット限定3万円ナリ。
  • 10000/1クマムシを作る時に参考にした本物のクマムシ、気が付いたら既に事切れてて「何があっても死なない」ってわけじゃないってことが判明。クマー。
  • 会場にも貼ってあるサイトの写真、ロケ地は○○県にある○○○の○○だとかなんとか。場所を知りたい方は館長さんからえぐり込むように聞くべし聞くべし。明日の為に。いやまあ、公式サイトにも書いて有るけど。
  • あと、割とオフレコな話が一つ。

…何だかよく解らない脚色が入ってるのは気にしない方向で。
そんなこんなで色々話し込んでたら、いつの間にか予定をちょっとオーバーして13時半だったんで慌てて退散することに。正直言ってかなりあっという間だったけど、とても楽しい二時間でした。感想を一言で述べるなら「麺是好吃了、姑娘是漂亮」って感じで。ってそれはいつのネタだと言うか、むしろ飯と女の子にしか興味が無いのか自分。
…とまあそういうアレな冗談はともかく、「美術展」から想像するような堅苦しい感じが全く無いのがとても印象的だなと。ぶっちゃけて言うと、「気のいいマスターとメイドルックのウェイトレスさんと奇妙なオブジェ(とデスクリ)が名物の喫茶店」って感じだし。そんな訳で、美術とか芸術にイマイチ興味が無い人でも十分楽しめるんじゃないかなと思うのですよ。
あと、この展示を見てふと思い出したのが、Risky Tune管理人のりう氏によるクソゲー論(別名、大阪城とデスクリムゾン)(Webアーカイブ)だったり。

シナリオが電波ならクソゲーなのか?
CGがヘボならクソゲーなのか?
バグでまともに動かなければクソゲーなのか?
理不尽に難易度が高ければクソゲーなのか?

否!
断じて否!
ゲームに対する過剰な期待と思い入れが無残に裏切られた時。
その時、人は『クソゲー!』と叫ぶのだ!
(Risky Tune、クソゲー論・第一より抜粋)

価値観、あるいは常識の逆転・相違は、現代美術の文脈(手法)として当たり前のようにもちいられていますが、「デスクリムゾン」にはじめて触れた時、コンピューターゲーム作品の中にもそういった文脈(手法)が、偶然にしろ故意にしろあらわれているように感じられ、大変面白く思いました。
「異端」=「逆先端」ととらえるならば、「デスクリムゾン」はゲーム界の現代美術、芸術なのかもしれません。
(不思議博物館、「デスクリムゾン解説」より抜粋)

デスクリに魅力を感じて巨大クリムゾンを作り上げた館長さんと、おそらくは血の滲むような修行を重ねて1面をクリアしてみせた不思議子ちゃんにとって、デスクリはクソゲーじゃなくて愛すべき傑作なんだろうなぁとか何とか。
最後になりましたけど、館長さんに不思議子ちゃん×2、今日はどうもありがとうございました。次は多分友人連れて行きますんで、その時はまたよろしくお願いします。